インドネシアの染織を蒐集する過程で、昔、現地で入手したものです。とても美しい造形だと思います。　
　これは、インドネシア スラウェシ島中部 トラジャ族のしゃもじです。使い込まれて良い味わいになっています。大きさは、長さ約19.7㎝×幅約4㎝、年代は20世紀前半のものです。近年のお土産品ではない時代のあるオリジナルであることを保証します。
　以前に整理した際に、サイズの小さい庶民用のスプーンが出てきましたが、こちらは上流階級用のしゃもじで、ご飯を分けるのに使われました。持ち手に4箇所、金具が付けられています。木の材質も庶民のものとは違い、良い木が使われています。一木から作られ、キリッとした緊張感ある造形の中に、輪郭や曲線の美しさが伺えます。非常に薄く作られており、高い美意識を持った腕の立つ職人に特別に注文して作らせたものでしょう。
　20世紀後半には、プラスチック製品の普及に伴い、このような木のしゃもじは、残念ながらその美しさを顧みられることなく捨てられてしまいました。裕福であった上流階級のものは、特に残っていないものです。
　すぐに壊れるような大きな傷みはありませんが、実際に使われてきたものですので、木の傷みや汚れ等があります。各画像でご確認の上、古いものであることを了解の上、ご入札をお願いいたします。　
　一般には見かけることのない珍しいものですので、大変リーズナブルかと思います。プリミティブなものがお好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

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